人生には3つの坂がある。
「のぼり坂」「くだり坂」「ま坂」
最近、ドラマの「カルテット」を見た。
クラシック音楽を愛するバイオリン奏者2人、チェロ奏者、ビオラ奏者が「音楽で食べていく」ことの難しさを理解しながらも、諦められない夢として4人が共同生活をしながら奮闘している姿を描いたドラマである。
このドラマが個人的に面白いと感じたことは、「音楽で食べていくことの難しさ」が本筋のテーマではなく、「生き方」といった壮大なテーマと「諦め」といった現実的なテーマがドラマを通して伝わってきた点である。
ドラマを見進めていくと「生き方」つまり「お金」「パートナー」「夢」それらの煌びやかな理想の実現が描かれながらも、「失い」「離婚」「諦め」そういった現実的な側面が強調して描かれているように感じた。
脚本は、「花束みたいな恋をした」で有名な「坂元裕二」さんである。
失恋話の代名詞として出てくる「花束みたいな恋をした」というワードは今でも記憶に新しい。10代で見るときの感覚、20代で見るときの感覚、30代で見るときの感覚、それらの違いを明確に感じ取らせてくれる映画に出会えたのは私にとっても大きな財産だ。
そんな坂元さんの描くカルテットの世界観は、やはり考えさせられることが多くあった。
例えば「お金」である。
「お金」の描写はいくつもある。
有名子役の経験があって大金を稼いだが、スキャンダルをきっかけにすべてを失うとか
宝くじの6000万円が当たったというのに、交換を忘れてしまったことで手に入らなかったとか
何か、「お金」という魔力に人生が翻弄されていることを皆はもっと知るべきだとメッセージとして伝えてくるものがある。
「パートナー」もそうだ。
片方は、上手くいっていると自信を持っていても、相方は全く違った感覚で過ごしていることは多い。そして別れを急に告げられる衝撃、そんな感覚は失恋を経験した多くの人がどこか「あるある」といった納得感を与えられる。
「夢」はもっとキツイ。
自己実現をしたいと思っていても、「生活」と天秤にかけたときに、現実という壁が大きくのしかかってくる。これを手放すことほど勇気のいるものはないだろう。
どれも、人生である。「正しい」「間違っている」ではない。そんな甘くて苦い、そして楽しくて、苦しい、息苦しさを与えてくるドラマだったな…と感じてしまう。
最後は、少しネガティブな表現になってしまったが、このドラマは面白いからこそおすすめしたい。
Amazon Prime 会員であれば無料で見れる。
「お金」「パートナー」「夢」それらすべてが音を奏でていて、人生を豊かにしたり、人生を壊したりする可能性があるもの。だからこそ愛おしくて、それでいて執着にもつながる恐ろしい魔物たち。
教育者として、こんなにも面白い探求しがいのある分野は他にないだろう。
なんせ、人の欲の根源を深ぼっているのだから。



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